再び悪夢

レストラン、白衣を着た医者みたいな奴が、いきなり俺の席に座り、「新作のお菓子を作ってまして、チーズスナックというんですけど、味見して感想をもらえますか？」
という訳で、早速食べてみた。見た目は「ハッピーターン」という菓子を、細長くしたような感じでチーズの粉が煎餅のようなスティックについている。
正直、さほどその辺で売られているようなものと大差ないような感じだったが、折角、感想を期待して自分に味見を頼まれたので、なるべく良い所を見つけようともう一度それを味わい、暫くしてから「噛めば噛む程、チーズの香りが優しく広がってきて、煎餅も歯ごたえがよく、中の空洞にもチーズが入っていて二倍楽しめますね、大きさも手頃で…」
と真剣に語っていると、そいつがクスクス笑いだした。よくよく見ると、周りの奴等もざわめき出して、俺を見て笑っている、何が可笑しい！折角真剣に感想を言ってるのに、そんな時に笑い出すなんてなんて失礼な奴等だ！
よくよく見ると、殆どが俺の知り合いばかりだった。

その白衣の奴が笑いを堪えながら、言った「あのねぇ、そんなに真剣に言われてもさあ！他にもっと良い感想ないの？食べていて楽しいとかさ、俺だったらそう言うんだけどな～！それにもっと明るい表情で食べなよ！」

何～？折角真剣な赴きで来たからこっちも相応に対応してたのに、しかも楽しいだと！
ふざけるな。

「楽しいって言うのはあなたの主観ですよね、自分はそうは思いませんでした。」と言い返した、すると、
「そう言われても困るんだよね～」
ますます人を見下すような目付きと必死に笑いを堪えてますよ的な表情で言われた。

「じゃあ、こうなったら仕方ない、ライバルですが、紹介しましょう」
そう言い放って、出てきたのが弁護士。

弁護士？一体どういう積もりだ？

俺に頼んできたから、それに答えただけなのに、笑われるわ、見下されるわ、ついには法的処置か？

俺は一体、どうしたらいいんでしょうか？

よくよく考えると、現実に似てますね。いくら真剣に考えてようが、伝わない事は伝わらないし、自分は一生、コケのように生きていかなければならないし。誰もわからないと思うしわかってもらおうとも思わない。自分が、やりたい事をただやればいいと思ってるさ。皆もそうすればいいと思う。

じゃあさようなら！